レゴ好きの皆さんこんにちは、Keibricksです。本記事では、2023年9月1日に発売されたレゴ新商品《Hogwarts Castle and Grounds 76419》を組み立てながら中身を詳しく紹介していきます。販売価格ですがレゴ公式サイトで定価が¥22,480となっていました。
商品の中身
箱を開けると、レゴブロックの袋は22袋、16×16ポッチの黒色プレートが1枚、説明書が2冊付いていました。シールシートが今回は付属されておらず、すべてプリントブロック仕様です。また、無心になって手を動かしながらマインドフルネスを実践するために開発された18歳以上の大人向けのレゴセットという位置付けの商品なようです。
パーツ数は全2,660個、同梱レゴミニフィギュアは1体(銅像の黄金ミニフィギュア)です。ディスプレイ時の大きさは高さ約21cm x奥行き約35cm x 幅約25cmです。
また、LEGO® Builderアプリを使用すれば、3D表示でモデルを拡大・回転してチェックができ、組み立ての進捗を保存することができます。
同梱のミニフィグ紹介
ホグワーツ城の建築家ミニフィギュアは、このセットのために特別に作成されたものです。原作では大広間を出た階段付近の踊り場に銅像が設置されています。色の記述は確認できませんでしたが、ブロンズ像だとしたらかなり近い雰囲気のミニフィギュアなのではないでしょうか。カールしたひげの新パーツ、手にはホグワーツの模型と設計図の巻物を持たせて全体がバランスよくできています。このミニフィギュアは「Hogwarts Castle」と記された銘板の隣りや基礎板の角に飾ることができるようにセットは設計されています。
設計家の黄金像自体は、過去に2019年のアドベントカレンダーで商品化されたことがあります。しかし当時ここまで繊細なプリント柄が入ったミニフィグではなかったので、このミニフィグはコレクターにはたまらない希少な一体になるでしょう。彼は10世紀初頭ごろに活躍した人物です。しかしその生涯や他の作品については描写が少ないため殆ど知られていません。
余談ですが、本セットの面白いところは商品設計をしたレゴ社シニアデザイナー・Yi-Chien Cheng氏の前職が本物の建築家だというところです。
「私は本商品を作るにあたってハリー・ポッターの映画で使用された建築図面、スケッチ、1:24スケールの城のスケールモデルなど資料全てを研究しました。そしてこれら全てを測定し、映画の美術チームが生み出した素晴らしいモデルのディティールを生かしつつ、バランスのとれたスケールに変換してレゴへと落とし込みました。橋や外景の一部を取り込むことで、城の雄大なロケーションを表現しています。またこのセットには、賢者の石、秘密の部屋を守る3つの障害物、ボーバトン家の馬車やダームストラング船、ウィーズリー家の空飛ぶフォード・アングリアの暴れ柳への乱暴な着陸など、映画の名場面や魔法のディテールが満載です。最後に、重要なこととしてホグワーツ城の建築家のレゴミニフィギュアが付いてきます。このセットを組み立てたら、あなたもホグワーツの建築家になれます。ホグワーツ魔法魔術学校での滞在をどうぞお楽しみください。」
組み立て説明書より抜粋
建築家視点で設計されたこの《76419 ホグワーツ™城全貌》は、我々に大きな学びを与えてくれるレゴセットですね。
ホグワーツ城の解説
ホグワーツ魔法魔術学校は、黒い湖を見下ろす岩山の高台にそびえ立っています。そこは生徒数がおよそ1000人いるとされるハリーポッターシリーズに登場する架空の古城です。ゴドリック・グリフィンドール、ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクロー、サラザール・スリザリンの4人の魔法使いによって993年ごろに創設されました。場所はイギリスのスコットランド領の山奥深くで、この城に行くためには『ホグズミード駅』で下車した後、ボートで湖畔を渡る方法やセストラルの馬車で森を抜けて入城するといった方法があります。
城を守るために非魔法族(マグル)が近づくと廃墟に見える特殊な魔法が掛けられています。魔法界において世界一安全な場所と評されており、最恐の魔法使いであるヴォルデモートですら侵入することが困難な城です。
体験型施設のワーナーブラザーズ・スタジオツアー東京では、このホグワーツ城の1/24スケールの巨大模型が展示されています。同施設では、本商品でも再現されてる大広間やメインタワーのほか、中庭、橋、温室エリア、天文台塔などを映画と同じクオリティで鑑賞することができます。映画界最強の美術チームが作り上げた創造力の結晶に間違いはないので、ハリーポッターファンでなくてもクリエイティブ精神のある方は一度訪れることを強くお勧めします。
商品の組み立て
それではいよいよ組み立てていきます。まずは城の土台となる岩山の造形からです。
プロのデザイナーが作る土台は単に頑丈なだけではありません。美しさを保ちつつも空洞を作ることで軽量化も図っています。それだけでなく地下にあるとされるバジリスクの部屋、悪魔の草が生えたトラップルーム、鍵鳥のルーム、チェス盤ルームをしっかりとスペースを作って組み込んでいます。
悪魔の罠から作成します。悪魔の罠とは暗闇と湿気を好むつる草の呼び名で、生き物に巻きついて絞め殺す性質を持ちます。侵入者から賢者の石を守るためにマダム・ポモーナ・スプラウト教授が設置した罠です。太陽の光が苦手なので、「ルーモス・ソレム」の呪文を出せばいちころです。新パーツや変わった組み方はしていないので容易に組むことができました。
つづいて創設者の一人サラザール・スリザリンが、ホグワーツ城の地下深くに最後の反抗的な行為として作ったと言われる秘密の部屋を組み立てます。この部屋には、彫刻が刻まれた背の高い蛇の柱が並んでおり、一番奥にはサラザール・スリザリンの巨大な石像が鎮座しています。この石像は新しい顔パーツのようです。石像の口から大蛇のバジリスクが這い出てきますので、注意して組み立てていきましょう。
鍵鳥の部屋はフリットウィック教授の仕掛けた奇妙な部屋で、賢者の石の秘密の隠れ場所を守るためにホグワーツ魔法魔術学校の教員が設計したトラップの1つでした。しかし無数の柱によって支えられた天井の高いこの部屋に鍵鳥は全然飛んでおらず、レゴでの表現にはやや物足りなさを感じました。
こちらの巨大チェス盤の部屋は、賢者の石を守るためのもう1つの障害物であり、戦略的スキル、勇気、犠牲を必要とする試練が挑戦者を待ち受けています。副学長のマクゴナガル先生が仕掛けたこのトラップには、ロンが勇気を振り絞って果敢に挑戦し、このゲームに勝利しています。自分を犠牲にしてでも前に突き進む彼の勇姿はグリフィンドール寮らしいですし、成績+50ポイントに値しますね。レゴではチェス盤をこの小さなスペースに表現していますが、もう少しチェスの駒にレゴブロックの工夫が欲しかったところです。
賢者の石を隠す鏡の部屋が完成しました。中央に設置された『みぞの鏡』を真に理解するためには、鏡の上部に書かれている碑文「Erised stra ehru oyt ube cafru oyt on wohsi」を逆から読む必要があります。 (その過程でいくつかのスペースを追加または削除する必要があるかもしれません。)
賢者の石をどう使うか使い道を考えている者の前では『みぞの鏡』は何も応えず、純粋に賢者の石が欲しいと願う者だけが石を手に入れることができるように細工されていました。ダンブルドア校長が考えた頭のいいトラップですね。
非常にシンプルな部屋ですが、レゴブロックを横組みにすることで鏡を表現しており、プロのテクニックが光る部屋だと思います。
少しずつ土台となる岩山の形が見えてきました。岸壁近くはクリアパーツのライトブルーブロックやクリアブロックを使用しており浅瀬を表現しているのが分かります。グレー色の岩肌上部には苔が生しており、築城1000年の歴史が垣間見えます。ここまで色彩が豊かになったレゴブロックは、どんどん表現の幅が広がっているように感じました。
魔法薬学の教室を製作していきます。1ポッチの中に窓や薬品棚が繊細に描写されたプリントされた小さなレゴブロックには感動しました。「求めていたのは正にコレなんだ!」。シールはもうやめてくれよと願うばかりです。(そのせいで商品価格が上がると言われてしまうと考えものですが。)
城の間を流れる川の表現が見事ですね。城の多くは魔法界にとっても依然として神秘のベールに包まれています。 アルバス・ダンブルドア校長でさえ、その構造やデザインについて全てを知っていたわけではないようです。
このペースでは終わりが見えないので、土台の岩山を駆け足で一気に作っていきます!
さて、12袋目からインストは2冊目に入ります。序章が長かったので城をレゴで作るワクワクが止まりません。(読む方も大変ですよね。すみません。)
まずはホグワーツ城の顔である大広間の製作です。土台と違って一気に組方が複雑化して難易度が上がりました。窓の装飾一つ一つはレゴブロックなのに、組み方の工夫でゴシック様式を感じて何とも豪華ですね~。大広間を象徴するドアや時計、出窓はプリントタイルです。(プリントパーツは嬉しいけど、レゴの造形力で見せて欲しかった気持ちもあって価格を考えてのことなら良い落とし所でしょうか。)
大広間といえば右側面が映ることはあっても、反対側が画面に映ることが滅多にないので新鮮な気持ちです。レゴでも片面は内部構造を見せる商品が多いので、こうして360度どこから見ても外観を鑑賞できるモデルは美しさを存分に堪能でき、建築好きにはたまらないのです。これがこの商品の最大の魅力といっても過言ではありません。(学生時代は建築デザインも勉強していました)
大広間を斜めに設置し(さらっとやってのけるのが公式の凄さ!)、湖畔に建つボート小屋までの経路を組み立てていきます。このボート小屋で映画のスネイプは最期を迎えるわけですが、原作では叫びの屋敷です。製作のアートディレクターが「物語のキーマンであったスネイプには、もっとドラマチックな最期を迎えて欲しかったから、原作者に相談して変更したんだよ」と答えています。この変更はファンからも高く支持されています。そんな名場面も生まれたボート小屋ですが、レゴでももちろん表現されていますね。新入生のハリーたちが最初に足を踏み入れる場所でもあります。
大広間の向かって右側にある高架橋をつくっていきます。高さの違う柱パーツで構成されているのが分かります。この大きな橋は、ホグワーツ城のシルエット的象徴であるだけでなく、最終決戦のメインエリアの一つでもあります。
岩場に生える木々は、アイスクリームやクリスタルのパーツでも見立てで作られているようです。デザイナーの遊び心による不思議な形の木が生えているのも魔法界ならではですね。
マクゴナガル教授は敵陣営からの火の粉を避けるために生徒たちを城の中に避難誘導をした後、呪文「ピエルトータム・ロコモーター」で鎧に魔法をかけ、戦闘兵として動き始めた彼らはこの橋へと向かいます。また、ここはニワトコの杖を折って捨てるシーンの他に、トライウィザードトーナメントの試練中、ドラゴンのハンガリー・ホーンテールがハリーを追いかけるためにその下をくぐり抜けるスリリングな名場面の舞台でもあります。
大階段のあるメイン塔とともに南棟も作っていきます。ここは時計塔の近くに位置し、グリフィンドール生やハッフルパフ生の生活スペースや医務室、教員室などがあります。
メイン塔最上階から突き出た3連の小さな塔には、ダンブルドアの校長室があるとされています。動く階段で有名なこの大階段の塔には、レイブンクロー生の寮やトロフィー室なども存在します。
図書館のある別館を組み立てていきました。左右対称の美しい形をした塔です。サイズは小さいですが、細かなレゴパーツを大量に使用するので描写がとても繊細です。女子トイレはこの塔内にあります。もしかしたら、組んでる最中に嘆きのマートルが見える人がいるかもしれないですね。間違ってもトロールには鉢合わせしたくないです。
別館から続く鐘楼棟の製作です。高架橋を渡った先は教室メインの塔で、ここは鐘楼の中庭や動物学の教室、西塔などがあります。ハリーたちが飛行訓練をしたのもこの辺りです。生徒の好きな科目が何であっても、多くの教室があるこの鐘楼棟で多くの時間を過ごすことになるでしょう。
いよいよ製作も佳境です。終盤に作るのは天文学塔です。メインタワーがホグワーツ城の最も高いところだと思うかもしれませんが、実際にはこの天文学塔が一番高い建物です。天文学塔には呪文学の教室、変身術の教室、そして闇の魔術に対する防衛術の教室があります。
ホグワーツ魔法魔術学校は巨大な城なので、新入生はどうしても道に迷って授業に遅刻しがちです。しかもこの城には142もの階段があるそうです。筋トレが苦手な方は学校生活が送れないかもしれません。
最後にさまざまな城周辺の施設などを作っていきます。
この温室は薬草学のスプラウト教授が、魔法植物の手入れと使用方法を生徒たちに安全に指導する場所です。のちにネビルが薬草学の教授として教鞭をとります。
暴れ柳は、満月の時期に狼男のルーピン教授が安全に逃げられるようにダンブルドアが植えたものです。そこには、ルーピンが人間の姿に戻るまで滞在するための「叫びの屋敷」まで伸びる秘密のトンネルが隠されています。この極小フォードアングリア可愛いですね。《71043 UCSホグワーツ城》を作った時と同じ組み方です。
ダームストラング船は、魔法学校対抗試合のトライウィザード・トーナメントのためにダームストラング魔法学校からホグワーツ城へ移動するために使用されました。船がどのようにして北海から黒い湖に入れたのかは謎です。よく分からないことは魔法のせいにするのが一番ですね。クリアブロックを使った曳き波の表現が美しいです。
ボーバトンの馬車のペガサスは、白い角と葉っぱのレゴブロックパーツで作られています。見立てがぶっ飛びすぎている…。しかも手綱に注目してください。キャンドルホルダーのレゴパーツなんです。素人には思いつきもしないレゴパーツの使用方法です。これで製作の全行程は完了です!
完成後の商品レビュー
本品はホグワーツ城とその敷地の全貌を再現できる初のレゴセットです。メインタワー、天文台の塔、大広間はもちろん、地下には秘密の部屋や魔法薬学の教室もあります。映画で見た様々な特徴を再現し、設計家のミニフィギュアやダームストラング専門学校の帆船といっしょに飾り、魔法魔術学校の堂々たる姿を部屋に飾ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
建築家目線で設計された本商品は、城の美しさを思う存分堪能できるインテリアにぴったりなセットだと思います。5万円以上の高額商品が相次いで投入される昨今のレゴ社商品の中では、まだ若干手の届く価格帯です(感覚麻痺してる?)。2万円台ですが、とても作りごたえがあるので大人の方に是非チャレンジしていただきたいですね。
2024年以降もレゴハリーポッターシリーズはさらに進化を続けていきます。当ホームページでも引き続き最新情報を発信していきますので、一緒にハリーポッターの魔法世界を楽しみませんか。
長い記事でしたが、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。それではまた!